KDDI陣営は米国を中心に開発された「ワイマックス」方式、ウィルコムは国産技術のPHSを発展させた「次世代PHS」を採用し、両方式ともにADSL(非対称デジタル加入者線)並みの高速通信が可能だ。高速移動中も途切れにくいため、屋外、電車や車のなかでも、自宅のパソコンと同じ高速通信環境が整う。
両陣営とも、最初はノートパソコン向け通信サービスから開始する。電車移動中に快適にインターネットを見たり、外出先で映画を高画質で見たりできるようになる。両陣営とも月4000円程度の定額制になる見込みで、携帯電話での同様のサービスは、安くても現行月5000円前後。価格でもお得だ。
KDDI陣営は携帯電話、ウィルコムは現行PHSと次世代無線の併用端末も発売し、用途に応じて、どちらかを使うようにし、利便性をさらに高める計画だ。将来は、次世代無線を搭載した家電や携帯ゲーム機の登場が予想され、▽外出中に家電を操作する▽遠隔地にいる友人とゲーム−−など、事業者の新たなビジネスチャンスも生まれてきそうだ。
一方で、今回の免許は、両陣営のほか、アッカ・ネットワークスとNTTドコモ、ソフトバンクとイー・アクセスを中心としたグループの2陣営が争い、総務省が各社の計画を比較審査した。各社の計画の差は「わずか」(総務省)だった。
同省は「落選組」には、経営破綻(はたん)したベンチャー企業、アイピーモバイルが返上した別の周波数帯の免許の再配分に応募できるようにし、新規参入の機会を広げる方針。【野原大輔】
毎日新聞 2007年12月19日
無線か。